定価・原価・利益の問題(1次方程式)
方程式を利用して問題を解くときには、問題文の中のどれかひとつの量を\(~x~\)として、他の量を\(~x~\)を使って表し、それらの量の関係を満たす方程式をつくります。
商品を売るときには、原価(仕入れ値)にいくらかの利益を見込んで定価をつけます。これらの値段の関係は次のようになります。
原価・・・小売店が卸売(おろしうり)業者から商品を買い入れた値段。仕入れ値ともいう。 定価・・・原価にいくらかの利益を見込んでつけた値段 売価・・・実際に商品を売った値段。定価と同じときもあるが、値引きをすると定価より安い値段になる。 利益(実際の利益)・・・売価と原価の差額 [定価]=[原価]+[利益(見込みの利益)] [利益(実際の利益)]=[売価]-[原価] |
割合の表しかた 例 \(1割=10\%=0.1\) \(2割5分=25\%=0.25\) |
例題1 ある商品に、原価の\(~2~\)割の利益を見込んで定価をつけましたが、定価から\(~200~\)円の値引きをして売ったので、利益は原価の\(~1~\)割\(~2~\)分 になりました。 この商品の原価はいくらですか。 |
考え方
原価を基準にして方程式をつくります。
定価は、原価にその\(~2~\)割を加えた値段です。
解答
原価を\(~x~\)円とする。
定価:\(x+0.2x=1.2x\)(円)
売価:\(1.2x-200\)(円)
利益:\(0.12x\)(円)
[売価]-[原価]=[利益] なので、
\((1.2x-200)-x=0.12x\)
\(0.2x-200=0.12x\)
\(0.08x=200\)
\(x=2500\)
[答]\(2500~\)円
例題2 ある商品は、\(1~\)個につき\(~400~\)円の利益を見込んで定価をつけています。この商品を、定価の\(~20~\)% 引きで\(~50~\)個売る場合と、定価から\(~300~\)円値引きをして\(~30~\)個売る場合とでは、同じ利益になります。 この商品の\(~1~\)個の定価を求めなさい。 |
考え方
求めるのは定価ですが、原価を基準に方程式をつくります。
それぞれの場合の\(~1~\)個の利益を式にして比較します。
解答
1個の原価を\(~x~\)円とする。
定価:\(x+400\)(円)
売価①:\((x+400)×(1-0.2)\)
\(~~~~~~~~~~~~=0.8(x+400)\)(円)
利益①:\(0.8(x+400)-x\)
\(~~~~~~~~~~~~=320-0.2x\)(円)
売価②:\((x+400)-300\)
\(~~~~~~~~~~~~=x+100\)(円)
利益②:\((x+100)-x\)
\(~~~~~~~~~~~~=100\)(円)
利益が等しくなるので、
\((320-0.2x)×50=100×30\)
\(16000-10x=3000\)
\(10x=13000\)
\(x=1300\)
原価が\(~1300~\)円なので、定価は、\(400~\)円を加えて\(~1700~\)円
[答]\(1700~\)円