速度と距離の問題(連立方程式)
問題文の中に、求める数が2つある場合は、それぞれを\(~x~\)、\(~y~\)で表します。ただし、問題によっては、求める数に関連のある数を\(~x~\)、\(~y~\)としたほうが解きやすい場合もあります。
問題文から等しい関係にあるものを見つけ出し、2つの方程式をつくります。
速度(速さ)と距離(道のり)、時間の関係は次のようになります。
[速度]=\(\displaystyle\frac{[距離]~~}{[時間]~~}\) [時間]=\(\displaystyle\frac{[距離]~~}{[速度]~~}\) [距離]=[速度]×[時間] |
速度とは、一定の時間に進む距離のこと 時速(毎時)・・・1時間に進む距離 分速(毎分)・・・1分間に進む距離 秒速(毎秒)・・・1秒間に進む距離 |
例題1 自動車で、A地点からB地点を通り、C地点まで行きます。 AB間を時速\(~40~\)㎞、BC間を時速\(~50~\)㎞で行くと\(~8~\)時間かかりますが、AB間を時速\(~50~\)㎞、BC間を時速\(~60~\)㎞で行くと\(~1~\)時間\(~30~\)分早く行けます。 AB間、BC間の距離をそれぞれ求めなさい。 |
考え方
それぞれの移動にかかる時間をもとに、2つの方程式をつくります。
[時間]=\(\displaystyle\frac{[距離]~~}{[速度]~~}\)
解答
AB間を\(~x~\)km、BC間を\(~y~\)kmとする。
\(\displaystyle\frac{x}{40}+\frac{y}{50}=8\) ・・・①
\(\displaystyle\frac{x}{50}+\frac{y}{60}=6.5\) ・・・②
①×\(~40\)
\(x+\displaystyle\frac{4}{5}y=320\) ・・・①’
②×50
\(x+\displaystyle\frac{5}{6}y=325\) ・・・②’
②’-①’
\(\displaystyle\left(\frac{5}{6}-\frac{4}{5}\right)y=5\)
\(\displaystyle\frac{1}{30}y=5\)
\(y=150\)
これを、①’に代入する。
\(x+120=320\)
\(x=200\)
[答]AB間\(~200~\)m、BC間\(~150~\)m
例題2 Tさんは、家から\(~5.2~\)km離れた公園へ行くのに、はじめの\(~30~\)分は走って行き、そのあと\(~5~\)分歩くと公園に着きました。帰り Tさんの走る速さと歩く速さは、行きも帰りもそれぞれ同じものとして、走る速さ(分速)と歩く速さ(分速)を求めなさい。 |
考え方
距離をもとに、行きと帰りの関係を方程式にします。
[距離]=[速度]×[時間]
解答
走る速さを毎分\(~x~\)m、歩く速さを毎分\(~y~\)mとする。
行き:\(30x+5y=5200\) ・・・①
帰り:\(25x+15y=5200\) ・・・②
①\(÷5\)
\(6x+y=1040\) ・・・①’
②\(÷5\)
\(5x+3y=1040\) ・・・②’
①’\(×3-\)②’
\(13x=2080\)
\(x=160\)
これを、①’に代入する。
\(960+y=1040\)
\(y=80\)
[答]走る速さ 分速\(~160~\)m、歩く速さ 分速\(~80~\)m