四則の計算
【四則とは】
加法、減法、乗法、除法をまとめて「四則(しそく)」といいます。また、「加減乗除(かげんじょうじょ)」ということもあります。
加法(かほう)=たし算
(たし算の答えを「和(わ)」といいます。)
減法(げんぽう)=ひき算
(ひき算の答えを「差(さ)」といいます。)
乗法(じょうほう)=かけ算
(かけ算の答えを「積(せき)」といいます。)
除法(じょほう)=わり算
(わり算の答えを「商(しょう)」といいます。)
【乗法の計算】
≪乗法の計算≫
正の数と負の数の積は次のようになります。
(正の数)×(正の数)=(正の数)
例 \(5×3=15\)
(負の数)×(負の数)=(正の数)
例 \((−5)×(−3)=15\)
(正の数)×(負の数)=(負の数)
例 \(5×(−3)=−15\)
(負の数)×(正の数)=(負の数)
例 \((−5)×3=−15\)
2つの数の正・負が同じとき、その積は正の数 2つの数の正・負が異なるとき、その積は負の数 |
3つ以上の数の積は次のようになります。
例1
\(2×(−3)×5=−30\)
例2
\(2×(−5)×(−4)=40\)
例3
\((−5)×2×(−3)×(−4)\\~=−120\)
負の数が偶数個のとき、その積は正の数 負の数が奇数個のとき、その積は負の数 |
≪交換法則・結合法則≫
乗法では、交換法則と結合法則が成り立つので、どんな順にかけても積は同じです。
乗法の交換法則 \(a×b=b×a\) 乗法の結合法則 \((a×b)×c=a×(b×c)\) |
例1
\(2×3×5=30\\5×2×3=30\)
例2
\(25×7×30×4\\~=(25×4)×(7×30)\\~=100×210\\~=21000\)
【累乗 るいじょう】
≪累乗とは≫
同じ数を何個か、かけ合わせたものを「累乗(るいじょう)」といいます。そのかけ合わせた個数を、もとの数の右肩に小さく書きます。この小さく書いた数のことを「指数(しすう)」といいます。
例1
\(3×3=3^2\)
例2
\(5×5×5=5^3~\)
例3
\(2×2×2×2×2=2^5\)
\(3^2~,~5^3~,~2^5~\)は、それぞれ「3の2乗」「5の3乗」「2の5乗」と読みます。
「2乗」を「平方(へいほう)」、「3乗」を「立方(りっぽう)」ということもあります。
≪負の数の累乗≫
負の数の累乗は、次のようになります。
例1
\((−2)^2=(−2)×(−2)=4\)
例2
\((−2)^3=(−2)×(−2)×(−2)\\~=−8\)
例3
\((−2)^4\\~=(−2)×(−2)×(−2)×(−2)\\~=16\)
指数が偶数のとき、累乗は正の数 指数が奇数のとき、累乗は負の数 |
\(−3^4~\)と\(~(−3)^4~\)は異なるものであることに注意しましょう。
\(−3^4=−(3×3×3×3)=−81\)
・・・ \(3^4~\)に「−」がついたもの
\((−3)^4=(−3)×(−3)×(−3)×(−3)=81\)
・・・ \(−3~\)を4乗したもの
【除法の計算】
≪除法の計算≫
正の数と負の数の商は次のようになります。
(正の数)÷(正の数)=(正の数)
例 \(12÷3=4\)
(負の数)÷(負の数)=(正の数)
例 \((−12)÷(−3)=4\)
(正の数)÷(負の数)=(負の数)
例 \(12÷(−3)=−4\)
(負の数)÷(正の数)=(負の数)
例 \((−12)÷3=−4\)
2つの数の正・負が同じとき、その商は正の数 2つの数の正・負が異なるとき、その商は負の数 |
除法では、交換法則が成り立たないので、順序を変えることはできません。
例
\(20÷5=4\\5÷20=0.25\)
≪0でわること≫
0をある数でわると、商は0です。
\(0÷7=0\)
けれども、ある数を0でわることはできません。
\(7÷0=□~~~→~~~□×0=7\)
□がどんな数でも成り立ちません。
(答がない。)
\(0÷0=□~~~→~~~□×0=0\)
□がどんな数でも成り立ってしまいます。
(答が定まらない。)
このように、商が定まらないので、0でわる除法はできません。
0をわることはできますが、0でわることはできないのです。
≪逆数≫
2つの数があり、その積が1になるとき、一方の数を他方の数の「逆数(ぎゃくすう)」といいます。
\(3×\displaystyle\frac{1}{3}=1\)
→ \(~3~\)の逆数は\(~\displaystyle\frac{1}{3}~\)、\(~\displaystyle\frac{1}{3}~\)の逆数は\(~3\)
\(\displaystyle\frac{2}{7}×\displaystyle\frac{7}{2}=1\)
→ \(\displaystyle\frac{2}{7}~\)の逆数は\(~\displaystyle\frac{7}{2}~\)、\(~\displaystyle\frac{7}{2}~\)の逆数は\(~\displaystyle\frac{2}{7}\)
逆数は、もとの数の分母と分子を入れかえたものです。
≪除法と逆数≫
\(a÷b=\displaystyle\frac{a}{b}~,~a×\displaystyle\frac{1}{b}=\displaystyle\frac{a}{b}\)
よって、\(a÷b=a×\displaystyle\frac{1}{b}~\)となります。
つまり、\(~a~\)を\(~b~\)でわることは、\(~a~\)に\(~b~\)の逆数をかけることと同じことなのです。
例1
\(24÷(−6)=24×(−\displaystyle\frac{1}{6})=−4\)
例2
\(−10÷\displaystyle\frac{2}{5}=−10×\displaystyle\frac{5}{2}=−25\)
【四則の混じった計算】
≪乗除の混じった計算≫
乗除(かけ算とわり算)の混じった計算は、次のようにします。
除法は割る数の逆数をかけて、乗法だけの式にする。(注) 式の中に負の数が偶数個あれば、答は正の数になる。 式の中に負の数が奇数個あれば、答は負の数になる。 |
例1
\(\displaystyle\frac{4}{5}÷(−8)×(−10)\\~=\displaystyle\frac{4}{5}×(−\displaystyle\frac{1}{8})×(−10)=1\)
例2
\(−10÷(−\displaystyle\frac{1}{3})÷4×(−\displaystyle\frac{4}{5})\\~=−10×(−3)×\displaystyle\frac{1}{4}×(−\displaystyle\frac{4}{5})=−6\)
(注)
わり算のまま計算したほうが簡単な場合はそのまま計算します。
\(~~~32÷(−8)×(−3)=12\)
≪四則の混じった計算≫
四則の混じった計算は、次のようにします。
加減乗除が混じっている式は、乗除(かけ算とわり算)を先に計算する。 かっこがある式は、かっこの中を先に計算する。 |
例1
\(5×3+(12−4)÷2\\~=15+8÷2\\~=15+4\\~=19\)
例2
\({(−2)^3−(4+3^2)}÷3\\~={−8−(4+9)}÷3\\~=(−8−13)÷3\\~=−21÷3\\~=−7\)